2014年4月に見た映画

詳しい感想は鑑賞メーターで。
http://video.akahoshitakuya.com/u/79182


『フレンジーアルフレッド・ヒッチコック
『雨』ルイス・マイルストン
パブリック・エネミーズマイケル・マン
ランボーテッド・コッチェフ
キャプテン・フィリップスポール・グリーングラス
アウトロークリント・イーストウッド
『コンドル』シドニー・ポラック
ラブ・アゲイングレン・フィカーラジョン・レクア
アメリカ、家族のいる風景』ヴィム・ヴェンダース
『サブウェイ123 激突』トニー・スコット
キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー』ルッソ兄弟


『フレンジーヒッチコック晩年の傑作で、殆どポルノ。エロにしろグロにしろ、かなりどぎつい場面も出てくる。久々にロンドンで撮ったらしいけど、街の喧騒を見ているだけでも楽しい。

『雨』これが凄かった。久しぶりに目に焼き付けたいと思わされる場面を幾つも備えた傑作。外連味たっぷり。蓄音機から流れていたBGMを途中でぶった切るという演出が30年代にもあったんだね。タランティーノよりも、そしてゴダールよりも早い。元がモームの短編なせいなのかなんなのか、説明過多だったり冗長だったりする場面もそこそこあるのが玉に傷。畳みかけるようなセリフの量はホークスの『ヒズ・ガール・フライデー』にも影響を与えたのかなあ。

パブリック・エネミーズこれはつまり「見つめ返してこない瞳を見つめる」映画なのではないか。チャット上映会の収穫が大きいのでいつかまとめて記事を書きたいところ。

ランボー予想以上に凄かった。生々しい活劇が楽しめて、ランボーの亡霊っぷりに驚き、そして最後の独白に涙腺をやられる。MGS3はだいぶこれから拝借しているんだろうなあと思った。

キャプテン・フィリップスグリーングラスながら良い感触。

アウトロー農夫→ガンマン→農夫→ガンマン。『ペイルライダー』と同じく冒頭がとんでもなく美しい。

『コンドル』70年代の傑作の一本として有名な作品。レッドフォードのベストかもしれない。電話をかける姿と襟を立てたコートは『ランナウェイ/逃亡者』で自己引用している。

ラブ・アゲイン自分は、後先考えない衝動で生きている人間を見るためにアメリカ映画を見る。そこそこ、という感じだけど、これを見て笑顔にならない人はあんまりいないだろう。

アメリカ、家族のいる風景』最近のヴェンダースも良いじゃないですか。父親の手を握るサラ・ポーリーのクローズアップがとんでもなく美しくて、全部持ってかれた。ソフトフォーカスだよね、やっぱ。

『サブウェイ 123』B級パニック映画のリメイク企画で、メタ映画を撮ってしまうトニー・スコットは一体何なのか。『デジャヴ』にしてもそうなんだが、多分殆どの人はこれがメタ映画であることに気がついていないと思う。晩年のトニスコの中でも評判の悪い一作で、確かに脚本に問題がありそうだし、そもそも企画の意図したところも良く分からないのだが、こんな変な映画でもやっぱりトニスコはおもしれーや。

キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー』面白い。アクション映画として隙の無い面白さなんだけど、肯定し切れないこの感じ。ジョー・ジョンストンが古き良きアメリカへの郷愁を精一杯こめた前作には、魂が確かにこもっていたと思うんだけど、果たしてこれはどうなのか。悪い意味で形ばかり整えたという印象を持ってしまった。あとキャプテン・アメリカも流石にヒーローなので、殺すか、殺されるかというポリティカルスリラーの筋が割とどうでもよくなってしまうのが、なんだかなあ。キャップもちょっとスマート過ぎるし。直線の突進は良いのだけど、素早いカッティングとアクションの速度感がどうにも馴染めない。一作目のキャップのゆっくりとしたアクションの方がキャップらしいと思ってしまう。あと、『ラブ・アゲイン』にしろ、これにしろ、アメリカ人って演説が好きだよね。