アルトナン・アルトー『ヘリオガバルス あるいは戴冠せるアナーキスト』読書メモ

墓なき死者、しかも己れの宮殿の便所のなかで護衛の兵士に喉をかき切られて殺されたヘリオガバルスの骸のまわりに、血と糞便の激しい循環があるならば、彼の揺り籠のまわりには精液の激しい循環がある。ヘリオガバルスは誰もが誰とでも寝ていた時代に生まれた。

大好きな書き出し。こういう書き出しから小説をはじめられたらいいよね、と思って何度も読んでしまう。