2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ブライアン・エヴンソン「年下」

ブライアン・エヴンソン『遁走状態』を読んでいると、下のような文章に出会った。ときどき、このように完全に正しいと思われるような明晰な文章に出会うことがある。もちろん、小説を読む醍醐味はそういうところにあるわけではないが……日々不足しがちな共感…

ウィリアム・フォークナー『サンクチュアリ』の読みにくさ

題名通り、フォークナーの『サンクチュアリ』を読んでいる。そして、死ぬほど読みにくい。ちなみにここで、なぜ読みにくいのかを切れ味よく解説するつもりはない。フォークナーの長編としては短いものだし、「フォークナーのなかではわかりやすい」という評…

保坂和志『小説の自由』のメモ(1)〜一覧性のある媒体とない媒体〜

保坂和志『小説の自由』を読んでいたら、以下のような文章に出くわした。ピエール・ブーレーズという現代音楽の作曲家であり指揮者である人の著作『クレーの絵と音楽』からの引用だそうだ。 音楽において、時間の知覚、モジュールの知覚はまったく異なり、絵…