批評

Claude3に自作小説をレビューしてもらった。

概要 Anthropic社のAIチャットサービスの「Claude3」がすごい。なんでもChatGPTのGPT-4を超えたらしい、という噂を聞きつけたので早速有償契約して、自作の小説を読んでもらった。 プロンプトのガイドは読んでいない。より良くすることはできるかもしれない…

保坂和志『小説の自由』のメモ(1)〜一覧性のある媒体とない媒体〜

保坂和志『小説の自由』を読んでいたら、以下のような文章に出くわした。ピエール・ブーレーズという現代音楽の作曲家であり指揮者である人の著作『クレーの絵と音楽』からの引用だそうだ。 音楽において、時間の知覚、モジュールの知覚はまったく異なり、絵…

マノエル・ド・オリヴェイラ『ブロンド少女は過激に美しく』/映画妖怪、その奇妙さの正体を探る

ブロンド少女は過激に美しく [DVD]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2016/09/21メディア: DVDこの商品を含むブログ (4件) を見るポルトガルの映画妖怪、マノエル・ド・オリヴェイラの『ブロンド少女は過激に美しく』を見た。 とてつもなく奇妙で面…

アニメ『響け!ユーフォニアム』を見終わってから、2か月と3週間ほどが経った。

このアニメの面白いところは、黄前久美子という根本的に冷たいリアリストが、高坂麗奈という昨今お目にかからないくらい高貴なロマン主義者に感化されて段々とのぼせていく様子を描いていくところに、エロチックな演出がまぶせられ、結果として妖しい魅力が…

言語化と映画

君がある映画を見て、それがとても面白かったとする。 その映画の面白さについて誰かに話してしまいたいから、そこにいた友人を見つけて猛烈に語り出してしまったとしよう。それが、おなじ映画を見て、おなじように面白いと思った人で、あまりにも言葉足らず…

ジョージ・ミラー『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)

マッドマックス 怒りのデス・ロード(字幕版)発売日: 2015/09/01メディア: Prime Videoこの商品を含むブログ (13件) を見る 劇場以来2回目の鑑賞。脚本の恐るべき頭の良さと破天荒なデザインに頭が下がる。アクションとドラマを同時進行させるために、その両…

ドリュー・バリモア『ローラーガールズ・ダイアリー』(2009)/暴力、痣、贖罪

日陰で書いたものを日向に移していこうキャンペーン、その3。 ◆前置き まぎれもない大傑作であるこの映画のすごさは、実際には非常にこまごまとした工夫とそれぞれの的確さにあるとは思う。逆算の脚本。豊富なユーモアと遊び。アクションですべてを演出する…

クリント・イーストウッド『アメリカン・スナイパー』(2014)/主観の向こう側へいく英雄

8か月前に書いた感想を今更ここに。 日陰で書いたものを日向に移していこうキャンペーン、その2。 ◆総じて ショットに目を見張るものはない映画である。まあ最近のイーストウッドはそういうとこで勝負する映画を撮らないけど。画面だけを見ても、他のイラ…

ジェームズ・グレイ『エヴァの告白』(2013)

エヴァの告白 [DVD]出版社/メーカー: ギャガ発売日: 2014/11/05メディア: DVDこの商品を含むブログ (5件) を見る※いつものように、ネタバレしています。 見たのは二か月以上前のことになるのだけれど、とにかく巧くて呻ったので、やはりこれは忘れないうちに…

マイケル・マン『レッド・ドラゴン』/マイケル・マンの基本形

恐らく『ヒート』で知られているであろうマイケル・マンは、最も好きな映画監督なので、一度書いてみたいとは思っていた。とはいえ、好きであるからこそ、自分はマイケル・マンについて書き飛ばしがちであり、出来ればマイケル・マンを語るにあたって、せめ…

ニムロッド・アーントル『アーマード 武装地帯』(2009)

アーマード 武装地帯 [DVD]出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント発売日: 2010/07/28メディア: DVD クリック: 3回この商品を含むブログ (9件) を見る ※ネタバレあり ■あらすじとか イラクで仲間を救うために正義に背いてしまった者が、今…