映画

トミー・リー・ジョーンズ『ミッション・ワイルド』

ミッション・ワイルド(字幕版)メディア: Prime Video 以下、ネタバレを含みます。 十九世紀のアメリカ。荒野で暮らしている独身女のメアリーは、精神を病んだ三人の女性をアイオワの教会まで連れていく役目に選ばれる。しかし、目的地まで約400マイルも…

サフディ兄弟『アンカット・ダイヤモンド』

Netflixでベニー・サフディとジョシュ・サフディによる映画『アンカット・ダイヤモンド』を見た。 面白い。 女房を質に入れてでも見るべき傑作。 以下では、内容に触れているけど、この映画の面白さのひとつに、目の前で起きている事態がすぐには把握できな…

クエンティン・タランティーノ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』/俳優とスタントマン

タランティーノの9作目となる新作映画を見てきた。 なんというかシンプルかつ渋い映画で、タランティーノの名前にだけ惹かれて映画館に来た観客の中には、置いてけぼりを食った人もいるんじゃないだろうか(特にシャロン・テート殺害事件のことを知らなかっ…

バー・スティアーズ『高慢と偏見とゾンビ』

高慢と偏見とゾンビ(字幕版) 発売日: 2017/04/04 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る まあタイトルの通りといえば、タイトルの通りなんだけど。 人の脳を食えば食うほどよりゾンビらしくなっていき、それを我慢すれば人間性を保持できるとい…

M・ナイト・シャマラン『ミスター・ガラス』

ミスター・ガラス (字幕版) 発売日: 2019/04/17 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る 脚本の流れはかなりよかった。二人の超人の直接対決を出し惜しみせずに序盤からやってくれるのが嬉しい。その後は、ブルース・ウィリスもジェームズ・マカ…

ショーン・ベイカー『フロリダ・プロジェクト』

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(字幕版) 発売日: 2018/10/03 メディア: Prime Video この商品を含むブログ (1件) を見る 演出にロジックがあってなかなか楽しんだ。特に前半はアイデアが豊富で面白い。 まず冒頭。掴みだから気合がはいっている。 激しく…

クレール・ドゥニ『ハイ・ライフ』

本当に久しぶりにシネコンではなくミニシアターに行ったけど、これは面白くなくて、途中退場してしまった。 クレール・ドゥニの映画は『ガーゴイル』しか見ていない。そちらは「セックスをすると食人衝動におそわれる病」が存在する社会を舞台にしたドラマで…

中島哲也『来る』と澤村伊智『ぼぎわんが、来る 』を比較してみた

昨年公開映画ということもあり旬を大きく逃しているけど、そのうち中島哲也については書きたいと思っているので試しに書いてみた。 映画化に際して『ぼぎわんが、来る』から変更された点を列挙するので、当然ながらネタバレしています。 原作から大きく変わ…

ジョセフ・H・ルイス『私の名前はジュリア・ロス』

私の名前はジュリア・ロス MY NAME IS JULIA ROSS 1945年 アメリカ 65分 監督:ジョセフ・H・ルイス 家賃を滞納する下宿人ジュリア・ロスは、あるとき職業紹介所で待遇のいい秘書の求人が出ていることを発見する。面接を受けると話はとんとん拍子に進み、そ…

ジョン・カーペンター『ザ・フォッグ』

ザ・フォッグ The Fog 1980年 アメリカ 89分 監督:ジョン・カーペンター 町の誕生100周年記念祭に沸き立つ小さな港町アントニオ・ベイ。だが、突如現れた濃霧が街を覆い、それに呼応するように、殺害直後にもかかわらず遺体が腐敗するという謎の殺人事件が…

フリッツ・ラング『スカーレット・ストリート』

スカーレット・ストリート Scarlet Street 1945年 アメリカ 102分 監督:フリッツ・ラング 銀行で真面目に勤め上げてきた冴えない中年サラリーマンのクリス・クロスは、暴漢に襲われている美女キティ・マーチを助ける。女優を自称するキティに魅了されたクリ…

アントワーン・フークア『イコライザー2』

イコライザー2 The Equalizer 2 2018年 アメリカ 121分 監督:アントワーン・フークア タクシードライバーとして日々を過ごす元CIAの凄腕エージェントのロバート・マッコールは過去と決別し、夜な夜な悪を裁き、人助けをして、第二の生を謳歌していたが…

スティーブ・ベック『ゴーストシップ』

ゴーストシップ Ghost Ship 2002年 アメリカ オーストラリア 91分 監督:スティーブ・ベック 西暦1962年5月、アメリカへ向けて出航したイタリアの豪華客船アントニア・グラーザ号が突如消息を絶った。それから40年後、海難救助や船のサルベージ等を請…

北村龍平『ミッドナイト・ミート・トレイン』

ミッドナイト・ミート・トレイン The Midnight Meat Train 2008年 アメリカ 98分 監督:北村龍平 タブロイド紙に写真を売るレオン。その恋人のマヤは、画商のジャーギスを通してやり手の女性画商スーザン・ホフと会うことになったと言い、2人は警察無線の盗…

タイカ・ワイティティ『マイティ・ソー バトルロイヤル』

マイティ・ソー バトルロイヤル Thor: Ragnarok 2017年 アメリカ 130分 監督:タイカ・ワイティティ ラグナロクの預言を語る炎の巨人スルトを倒し、また前作で死んだはずのロキがなぜかオーディンになりすましてアスガルドを統治しているのでこれもしめたと…

デヴィッド・R・エリス『ファイナル・デッドサーキット 3D』

ファイナル・デッドサーキット 3D The Final Destination 2009年 アメリカ 84分 監督:デヴィッド・R・エリス 例によって例のごとく、サーキット場で激しいクラッシュ事故を予知した少年が現れ、例によって例のごとく、それが現実となるので、例によって例…

ジェームズ・ウォン『ファイナル・デッドコースター』

ファイナル・デッドコースター Final Destination 3 2006年 アメリカ 93分 監督:ジェームズ・ウォン とある高校の卒業イベントが開かれている遊園地で、凄惨な事故を予知した少女はジェットコースターを降りて助かるが、残念ながら彼氏は助からなかったので…

クリント・イーストウッド『15時17分、パリ行き』を見た。

イーストウッドの新作見てきました。なんだかんだ毎回見てるね。 それで思ったのは、「やっぱり仕事ってよくないね!」ってことですよ。よくないわ健康とかに。思えば、『アメリカン・スナイパー』のブラッドリー・クーパーも、仕事で戦争やってたから病んで…

ジョン・マクティアナン『プレデター』

プレデター Predator 1987年 アメリカ 107分 監督:ジョン・マクティアナン 密林に召集されたダッチ率いる特殊部隊が、ゲリラにさらわれた人質を助けるためにミッションに就くが、当のゲリラを壊滅させたところで、ミッションに隠された別の目的が明かされる…

ロバート・エガース『ウィッチ』

ウィッチ The Witch 2015年 アメリカ、カナダ 92分 監督:ロバート・エガース 17世紀アメリカ、ニューイングランドの入植地から追放された一家が、痩せた土地で暮らしていると、長女トマシンが生まれたばかりの弟を見失ってしまう。父親は狼がつれていったの…

アンディ・ムスキエティ『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 IT(IT:chapter one) 2017年 アメリカ 135分 監督:アンディ・ムスキエティ 吃音症の兄につくってもらった紙の船を、弟は排水溝に落としてしまう。このままでは兄に怒られると危惧した弟はその船を拾おうとするのだ…

マックG『ザ・ベビーシッター』

ザ・ベビーシッター The Babysitter 2017年 アメリカ 85分 監督:マックG 背伸びしたい時期なのに、注射が苦手で、クモがこわくて、美人のベビーシッターまでつけられているから学校ではいじめられている男の子が、両親不在のある日そのベビーシッターが夜…

ジェシカ・ハウスナー『ルルドの泉で』

ルルドの泉で LOURDES 2009年 オーストリア、フランス、ドイツ 99分 監督:ジェシカ・ハウスナー 病気のせいで車椅子生活をしており、世話をしてもらわなければ食事をすることも、ベッドに寝ることも一人ではできないクリスティーヌという女性が、聖地ルルド…

ピーター・バーグ『パトリオット・デイ』/映画という交霊術

ピーター・バーグ『パトリオット・デイ』を見た。 前半が編集についての映画、後半がボストンを舞台にした事実上の軍事作戦、ということでコンセプトの面白い映画だった。それにしても、ボストンというのは本当にこれほどにもアメリカらしいリバタリアン精神…

M・ナイト・シャマラン『ハプニング』

シャマランのブルーレイを買いまくったので見ていく。『ハプニング』は約5年前に見ていて、当時の感想がこんなかんじ。 奥さんの無表情を観る度に驚く。悪い作品ではないのだと思うし、風だけで恐怖を煽り、ワンカットの中で滑稽なほどあっけなく人を殺して…

M・ナイト・シャマラン『スプリット』

シャマランの新作『スプリット』を見てきた。前作『ヴィジット』は自分にとってもその年のベストで、続くこの映画が大ヒットしていると聞いて嬉しい思いだったが、実際に見てみると困惑するのだった。アバンタイトルこそ、情報の出し方、シーンの省略に濃密…

増村保造『爛』(1962年)

爛 [DVD]出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2014/06/27メディア: DVDこの商品を含むブログ (1件) を見る ぬっと手が出てくる。テレビやソファのある雑然とした室内が写されたかと思えば、そのソファの真ん中あたりから手が出てくるところからこの…

リチャード・フライシャー『恐怖の土曜日』(1955年)

恐怖の土曜日 [DVD]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2015/02/04メディア: DVDこの商品を含むブログを見るリチャード・フライシャー『恐怖の土曜日』を見たが、とても視覚的な映画で素晴らしかった。フランス版ではフリードキンがこの映画について…

強いショットとはなにか(について書いていたら脱線していった)

近頃、映画や小説を楽しんだあと、その内容についてあれこれ分析的に考えることに興味が薄れてきた。 (こう書くと語弊があるように思えるが)それと反比例するように気になって仕方がないのが、まさに映画を見ているとき、小説を読んでいるときに、自分自身…

保坂和志『小説の自由』のメモ(1)〜一覧性のある媒体とない媒体〜

保坂和志『小説の自由』を読んでいたら、以下のような文章に出くわした。ピエール・ブーレーズという現代音楽の作曲家であり指揮者である人の著作『クレーの絵と音楽』からの引用だそうだ。 音楽において、時間の知覚、モジュールの知覚はまったく異なり、絵…