ジョン・マクティアナン『プレデター』

プレデター
Predator
1987年 アメリカ 107分
監督:ジョン・マクティアナン

林に召集されたダッチ率いる特殊部隊が、ゲリラにさらわれた人質を助けるためにミッションに就くが、当のゲリラを壊滅させたところで、ミッションに隠された別の目的が明かされることになる。そして、救出がないまま、密林を狩場として宇宙人の襲撃にひとりまたひとり隊員が殺されていく。
ても陰惨な80年代的ジャングル殺戮映画だった。軍事絡みの考証や、ジャングルでのサバイバル戦を真面目にやっている感触があり、全体的にかなり地味なのに、弾薬と火薬の量が異常なので神経症的にみえる。人質の射殺。皮を剥がれ吊るされた死体。砕かれる頭部。もがれたあとも機関銃を発砲しつづける腕。そして、なすすべなく殺されていくマッチョたち。『虐殺器官』の原風景としてこういうジャングル虐殺映画があったのだろうかと思う。『ティアーズ・オブ・ザ・サン』はその末裔といえるのだろうか。戦闘シーンはスローモーションが多用されていて、カットの繋がりもあまり明快ではないせいかちょっとだけペキンパーっぽい。そして、すごい落下スタントが何度もある。滝つぼへの落下! シュワちゃん以外のメンツもかなりガタイがよく、明らかに筋肉フェチ向けのカットもあるなか、自傷シーンや血まみれにされる部分も多く、これもフェチ向けなのだろうかと邪推してしまう。シュワルツェネッガーもエイリアンには、身体能力で圧倒されボコボコにされてしまう。