ジョン・カーペンター『ザ・フォッグ』
The Fog
1980年 アメリカ 89分
監督:ジョン・カーペンター
町の誕生100周年記念祭に沸き立つ小さな港町アントニオ・ベイ。だが、突如現れた濃霧が街を覆い、それに呼応するように、殺害直後にもかかわらず遺体が腐敗するという謎の殺人事件が発生する。
初期の作品で、ショットの強度に拘っている節がある。大体の映画監督は初期ほど照明とかに拘る気はするけど。冒頭、短すぎず長すぎない一定のリズムで刻まれるカッティングで、夜中の街の風景が音楽的に配置される。カタカタ揺れるミラー。落ちる給油機。ライトがつく自動車の群れ。ガソリンスタンド。霧とともに怪奇現象が忍び寄って来る! グッとくる海の撮影多し。二点透視的な、あまり見ないような奥の出し方をするショットがいくつか。画面の半分を潰して狭い奥を見せるショットが多いなー。カーペンターは奥を見せるのがうまいと思ったけど、その半分は手前を作るのがうまいおかげなんだろうね。でも非アクションのカーペンターでそこは不満点。ひとつの街が舞台として出てきて、そこに住む人々の群像劇になっているんだけど、街の個々のスポットの距離感がいまいちわからないし、出した人物も消化不良気味。
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