Jiraで一人スクラムをする

スクラム開発はひとりでやるものではない、というのは承知しているのですが、やってみると有用そうだったので。

1. 目的

  • 自分の性格上、様々なものに目移りしやすいので、「やらないこと」を決めるのが苦手だった。
  • 2024年はその性質と向き合うためJiraを使って「一人スクラム」を行い、真に価値ある作業に集中しようと思った。

2. 背景

2.1. きっかけ

人生を仕組み化していったら結婚できた件を読んで、個人の私生活でissue trackerを使ったり、スクラムをする発想に興味を惹かれた。

2.2. 現状のタスク管理

  • 元々タスク管理にはTodoistを使っていた。
  • これは、ゴミ出しや買い物メモのような、メモの延長としてのタスク管理には有用で、特に繰り返しタスクには非常にワークしているのだが、中長期のプロジェクト的な性質の強いものには上手く使えていなかった。
  • Todoistは第2の脳のように使っており、かなり細かい単位で日常生活のタスク管理を自動化しているので、一日のタスク量が20~30ある。残念ながら、ずっと残り続けるゾンビタスクも目立っている。そのような状況では、かえって今現在集中すべきタスクに集中できなくなってしまっていた。
  • 「今日のタスク」とは別に、「#今すぐやる」というプロジェクトを作ってそこにタスクを2~3移動して処理するフローならこの問題は解決できるかもしれない。

3. なぜJiraなのか

3.1. 検討した別の方法

  • Todoist
    • 普段使っているツール。やりようはあるかもしれないが、現状使い倒しているので環境は汚れている。機能不足があるかもしれない。
  • asana
    • 個人用途では使いやすいとの評判を聞く。Asanaを避けた決定的な理由は正直ない。
    • より老舗なJiraの方を理解したいと考えた。

3.2. 検討過程

  • JiraかAsanaかで迷い、両製品を比較検討したが、結局トライアルしたのはJiraだけ。
  • スクラムのテンプレートはどちらにもあったが、エンタープライズ企業向けのリッチな製品を無料で使えることに興味を惹かれた。
  • 個人ならAsanaやtrelloで足りるという発想が常識的かもしれないが、逆張りしてみたかった。
  • 将来的に仕事に役に立つかもしれない、という目算もある。

3.3. トレードオフ

  • Jiraは複雑なプロダクトなので、学習コストが高い。オーバースペックに苦しむ可能性がある。
    • Jiraを学ぶ、ひいてはITSM全般についての学習に繋がるので(他の製品例:ServiceNow)、長期的には無駄にならない。
  • Todoistと使い分けることによる、コンテキストスイッチの増加。(やりたいことはTodoistでもできるかもしれない)
    • Todoistは小規模タスク用、Jiraは中長期タスク用という使い分けをした方が効率が上がる可能性も否定できない。
    • Todositで足りるなら、戻ってこればいい。

4. 実際に使ってみて

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4.1. 私生活

積読消化に使っているが、色んな本に目移りしやすい性質を抑えて、各スプリントごと(1週間)集中して読む本を決めて優先順位付けに役立っている。ストーリーポイントもつけて、スプリント計画や、ふりかえりも実施している。

ただし最初のスプリントが上手くいったのは、以下のような要因が大きいかもしれない。

  • 『入門監視』がハンズオンが不要な本であること
  • 面白い本であること
  • 薄い本であること
  • 始め立ててモチベーションが高いこと
  • 最初のスプリント時に(普段は無い)平日休みがあったこと

500ページ以上あって、手を動かす必要もある書籍は何スプリントにもまたがるので、モチベーションを本当に保てるのか疑問は残る。

4.2. 仕事

仕事でもJiraを使い始めたが、スクラムではなくカンバンを用いている。

仕事では、種類も、粒度も、優先度もまちまちなタスクが沢山あって、割り込みも入るのでカンバンの方が続けやすいと思ったからカンバンを選んだ。

4.3. その他

Jiraはまだ許せるが、Confluenceの重さ・遅さには耐えられないのでConfluenceは使っていない。ドキュメントツールは速さが正義。僕がNotionをあまり使わないのも重いから。 (スプリントレビューは動線が上手く作ってあるのでConfluenceに書いているが...)

代わりにScrapboxに書いて、リンクをJiraの左メニューに貼っている。

5. 今後の目標

  • まずは1ヶ月続ける。
  • 家族でスクラム
    • スクラムはチームでやるのが通常想定されているので、(考え方は有効だが)本当は一人ではなくチームでやった方がよさそう。理解を得るまでの道のりは遠そうだが...。