デヴィッド・R・エリス『ファイナル・デッドサーキット 3D』

ファイナル・デッドサーキット 3D
The Final Destination
2009年 アメリカ 84分
監督:デヴィッド・R・エリス

によって例のごとく、サーキット場で激しいクラッシュ事故を予知した少年が現れ、例によって例のごとく、それが現実となるので、例によって例のごとく、10名の男女が無事に生き延びるのだが、例によって例のごとく、死の運命からは逃れられずに、次々とありえない偶然が積み重なって死んでしまう。
のシリーズ最大のヒット作ということだけど、第2作『デッドコースター』のデヴィッド・R・エリスが再登板ということで、なんだかその第2作を思わせるような二次災害のすさまじい事故が起きまくる。この監督がやると事故の規模がひどくならないか? それにあわせてグロテスク度も増しているし、生理的な嫌悪感ということではプールの排水溝に内臓を吸われて死ぬという死に様がいやだ。これはパラニュークのいわくつきの短編「はらわた--聖ガット・フリー語る」を彷彿とさせるのだ。Box Officeによれば制作費は上がったはずだが(その割には上映時間が短くなっている)、それでも本作に登場する大規模な事故を再現するには至らなかったのか、CGの安っぽさが目につくし、そのせいか全体的に雑にみえる。この点は『デッドコースター』も変わらないのだが、パワーが落ちているし、正直こちらはもう殺人ピタゴラスイッチに飽きはじめているので、これといって進歩や新鮮さのない殺人ピタゴラスイッチを見せられても面白くもなんともない。なにか別のアプローチがほしい。出てくる役者にどれも魅力がないというのもいけない。3D映画として撮られた本作で、クライマックスの場面は3D映画、それも飛び出る爆発シーンの場面で、ファイナルデスティネーションだから本当に爆発が飛び出してくるという悪趣味なギャグをやっていた。なお、分かりにくいがシリーズ4作目。