1.ウィル・グラック『俺たちチアリーダー!』91分
2.サム・メンデス『アメリカン・ビューティー』117分
3.M・ナイト・シャマラン『アンブレイカブル』107分
4.スティーブン・スピルバーグ『ターミナル』129分
5.リチャード・フライシャー『その女を殺せ』71分
6.西谷弘『容疑者Xの献身』128分
7.ハーモニー・コリン『ガンモ』80分
8.ヴィンセント・ギャロ 『バッファロー'66』111分
9.ウェス・クレイヴン『エルム街の悪夢』91分
10.ニコラス・ウィンディング・レフン『ドライヴ』100分
『ドライヴ』。ものすごく映像作品として洗練されていて、完成度が高い。 レフンは嫌いだから、とか、ナルシズムが鼻につくから、とかなんとかといって避けていてはもったいない逸品(自分のことなんだけど)、
『エルム街の悪夢』。悪夢的なイメージがこれでもかと連発される前半がものすごい。一つ一つのショットがすごく強烈。80年代リバイバル著しい昨今、絶対に見返しておくべき古典の一つ。ウェス・クレイヴンはメルヘンの人です。
『バッファロー'66』。これは全編に渡ってすごいショットが横溢していて、ダメな画が一つもない傑作。画面で遊びまくってるし、美男美女が出てくるし、ボンクラ男の願望充足ストーリーになっているのでオススメです。プログレがかかりまくる、世に少ないプログレ映画でもある。
『ガンモ』。貧乏白人の地獄みたいな日常がとてつもなく美しく撮られている。出てくる人間がどれも通常の美的基準からはかけ離れているのだが、そういうものが美しい、価値観の転倒した映画なのである。詩として、とてもいい。田舎の地獄と、詩的断片ということでライアン・ゴズリングの『ロスト・リバー』と似通っているが、こっちと比べるとゴズリングのはきつい。ビッチがギャング相手に銃を撃ったりする『スプリング・ブレイカーズ』を貶してごめんよハーモニー・コリン、自分が間違っていました。
『容疑者Xの献身』。伝説のために自らを捧げ、秘密を墓場まで持っていき、名もなき英雄たらんとするアメリカ映画の倫理と、あらゆる秘密を暴き出さんとする探偵小説の倫理が拮抗し、西部劇的に対決した結果、非常にロマンチックな映画が出来上がった。これが、それである。
『その女を殺せ』。映画というメディアにおける空間把握の問題に対する、技術的な思索がある。そのコンセプチュアルなアートといった趣の一作。自分は、『黒い罠』のように純粋に映画技術に向けられた内向きな映画というのは好きではないのだが、『黒い罠』がそうであったように本作も、そういった言葉で切り捨てられるほどレベルの低い作品ではないのだ。リチャード・フライシャー絶好調。
『ターミナル』。アメリカまで来たのはいいものの、母国が無政府状態に陥ったためにパスポートが失効。法的に、空港に閉じ込められてしまった男の物語。そういう筋立てなので、当然、スピルバーグはその才能と技術を費やして、「境界」についての映画を撮る。もちろん、あくまで具体的で空間的で視覚的な領域においてである。コメディでもあるし、恐ろしいほどロマンチックな恋愛映画でもある。個人的には『宇宙戦争』に次ぐスピルバーグの傑作だと思う。
『アンブレイカブル』。名作然とした名作。徹頭徹尾、距離についての映画である。シャマランはシャイな人であり、同じことを延々と繰り返し撮っている人である。コミュニケーションの不全からはじまり、それが段々と解消されていくが、最接近するところで何かが起こる。誰かが、シャマランの映画はハッタリで思わせぶっているだけだと言っていたが、シャマランはそこまで打算的ではなく、単にシャイなだけなんだろうと思う。
『アメリカン・ビューティー』。ものすごくベタな要素がパチパチとはまっていって、唾棄すべき保守的な美が、まさに見たこともないほどの美としてあらわれるという傑作。『ファイト・クラブ』、『アメリカン・サイコ』と合せて、サバービアの地獄三部作でどうぞ。
『俺たちチアリーダー!』。2015年の下半期だけで3回も見た映画。まあ、自分に嘘はつけないですよね。今年はウィル・グラックと出会えたことに感謝。『ステイ・フレンズ』も『ANNIE』も素晴らしい! 見たあとに何も残らず、ただちょっと幸せな気分だけが持続する。そういう、脳みその配線を焼き切るようなハッピーな映画です。
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