J・G・バラード『ミレニアム・ピープル』読書会

ミレニアム・ピープル (創元SF文庫)作者: J・G・バラード,増田まもる出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/06/21メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る千年紀の民 (海外文学セレクション)作者: J・G・バラード,増田まもる出版社/メーカー: …

北村龍平『ミッドナイト・ミート・トレイン』

ミッドナイト・ミート・トレイン The Midnight Meat Train 2008年 アメリカ 98分 監督:北村龍平 タブロイド紙に写真を売るレオン。その恋人のマヤは、画商のジャーギスを通してやり手の女性画商スーザン・ホフと会うことになったと言い、2人は警察無線の盗…

『岸辺露伴は叫ばない』

荒木飛呂彦によるスピンオフ『岸辺露伴は動かない』シリーズが、奇想短編のプラットフォームとして便利そうだな、と思っていた矢先、『岸辺露伴は叫ばない』という複数作家によるノベライズを発見し、本当に奇想短編のプラットフォームになっていたので読ん…

タイカ・ワイティティ『マイティ・ソー バトルロイヤル』

マイティ・ソー バトルロイヤル Thor: Ragnarok 2017年 アメリカ 130分 監督:タイカ・ワイティティ ラグナロクの預言を語る炎の巨人スルトを倒し、また前作で死んだはずのロキがなぜかオーディンになりすましてアスガルドを統治しているのでこれもしめたと…

デヴィッド・R・エリス『ファイナル・デッドサーキット 3D』

ファイナル・デッドサーキット 3D The Final Destination 2009年 アメリカ 84分 監督:デヴィッド・R・エリス 例によって例のごとく、サーキット場で激しいクラッシュ事故を予知した少年が現れ、例によって例のごとく、それが現実となるので、例によって例…

ジェームズ・ウォン『ファイナル・デッドコースター』

ファイナル・デッドコースター Final Destination 3 2006年 アメリカ 93分 監督:ジェームズ・ウォン とある高校の卒業イベントが開かれている遊園地で、凄惨な事故を予知した少女はジェットコースターを降りて助かるが、残念ながら彼氏は助からなかったので…

チャイナ・ミエヴィル『都市と都市』/フィクションの消滅

都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)作者: チャイナ・ミエヴィル,日暮 雅通出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2011/12/20メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 113回この商品を含むブログ (106件) を見る ミエヴィルの『都市と都市』を読んだわけだけど……原書が200…

クリント・イーストウッド『15時17分、パリ行き』を見た。

イーストウッドの新作見てきました。なんだかんだ毎回見てるね。 それで思ったのは、「やっぱり仕事ってよくないね!」ってことですよ。よくないわ健康とかに。思えば、『アメリカン・スナイパー』のブラッドリー・クーパーも、仕事で戦争やってたから病んで…

ジョン・マクティアナン『プレデター』

プレデター Predator 1987年 アメリカ 107分 監督:ジョン・マクティアナン 密林に召集されたダッチ率いる特殊部隊が、ゲリラにさらわれた人質を助けるためにミッションに就くが、当のゲリラを壊滅させたところで、ミッションに隠された別の目的が明かされる…

フリッツ・ライバー『闇の聖母』読書メモ

以下すべて早川書房から出ている文庫本準拠。 「すくなくとも、音楽にはひとつだけ超自然的な力があるよ。それは浮揚できる――空中を上昇してゆけるんだ。むろん言葉にだってその力はあるが、音楽ほどじゃない」 「どうしてそう思うの?」彼女は肩ごしにたず…

アルトナン・アルトー『ヘリオガバルス あるいは戴冠せるアナーキスト』読書メモ

墓なき死者、しかも己れの宮殿の便所のなかで護衛の兵士に喉をかき切られて殺されたヘリオガバルスの骸のまわりに、血と糞便の激しい循環があるならば、彼の揺り籠のまわりには精液の激しい循環がある。ヘリオガバルスは誰もが誰とでも寝ていた時代に生まれ…

プルースト『失われた時を求めて』読書メモ ♯1

読了までに時間がかかりそうなので、逐一メモにして残していく。 以下すべて岩波版の『失われた時を求めて』1巻より引用。 われわれのまわりに存在する事物が不動の状態にあるのは、それがそれであって他のものではないというわれわれの確信のなせる業であ…

備忘録:長編小説を書いた

2018年1月24日に、今現在書いている長編小説の第1稿を書きおえた。書きはじめたのが2017年1月21日なので、ほとんど丸1年間かかってしまった計算になる。というか、このあと推敲しなければならないので、本当はもっとかかる。2017年6月…

ロバート・エガース『ウィッチ』

ウィッチ The Witch 2015年 アメリカ、カナダ 92分 監督:ロバート・エガース 17世紀アメリカ、ニューイングランドの入植地から追放された一家が、痩せた土地で暮らしていると、長女トマシンが生まれたばかりの弟を見失ってしまう。父親は狼がつれていったの…

2017年 読んだ本ベスト

1.ミシェル・ウエルベック『H・P・ラヴクラフト:世界と人生に抗って』 2.ピーター・ワッツ『エコープラクシア 反響動作』 3.蓮實重彦『ハリウッド映画史講義:翳りの歴史のために』 4.木下古栗「表現と書く技法 ――『グローバライズ』創作をめぐって…

アンディ・ムスキエティ『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 IT(IT:chapter one) 2017年 アメリカ 135分 監督:アンディ・ムスキエティ 吃音症の兄につくってもらった紙の船を、弟は排水溝に落としてしまう。このままでは兄に怒られると危惧した弟はその船を拾おうとするのだ…

マックG『ザ・ベビーシッター』

ザ・ベビーシッター The Babysitter 2017年 アメリカ 85分 監督:マックG 背伸びしたい時期なのに、注射が苦手で、クモがこわくて、美人のベビーシッターまでつけられているから学校ではいじめられている男の子が、両親不在のある日そのベビーシッターが夜…

ジェシカ・ハウスナー『ルルドの泉で』

ルルドの泉で LOURDES 2009年 オーストリア、フランス、ドイツ 99分 監督:ジェシカ・ハウスナー 病気のせいで車椅子生活をしており、世話をしてもらわなければ食事をすることも、ベッドに寝ることも一人ではできないクリスティーヌという女性が、聖地ルルド…

飛浩隆「自生の夢」について

以下、「自生の夢」に関する重大なネタバレがあります。 昨年末に出た短編集『自生の夢』を読んだ。昨年末に出たといっても完全な新作があるわけではなく、むしろ既出の短編を集めたものなので、わたしにとっては実質的に再読ということになる。かなり広い期…

ピーター・バーグ『パトリオット・デイ』/映画という交霊術

ピーター・バーグ『パトリオット・デイ』を見た。 前半が編集についての映画、後半がボストンを舞台にした事実上の軍事作戦、ということでコンセプトの面白い映画だった。それにしても、ボストンというのは本当にこれほどにもアメリカらしいリバタリアン精神…

M・ナイト・シャマラン『ハプニング』

シャマランのブルーレイを買いまくったので見ていく。『ハプニング』は約5年前に見ていて、当時の感想がこんなかんじ。 奥さんの無表情を観る度に驚く。悪い作品ではないのだと思うし、風だけで恐怖を煽り、ワンカットの中で滑稽なほどあっけなく人を殺して…

M・ナイト・シャマラン『スプリット』

シャマランの新作『スプリット』を見てきた。前作『ヴィジット』は自分にとってもその年のベストで、続くこの映画が大ヒットしていると聞いて嬉しい思いだったが、実際に見てみると困惑するのだった。アバンタイトルこそ、情報の出し方、シーンの省略に濃密…

増村保造『爛』(1962年)

爛 [DVD]出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2014/06/27メディア: DVDこの商品を含むブログ (1件) を見る ぬっと手が出てくる。テレビやソファのある雑然とした室内が写されたかと思えば、そのソファの真ん中あたりから手が出てくるところからこの…

石田敦子『魔法少年マジョーリアン』、矢部嵩「中耳炎」

〇石田敦子『魔法少年マジョーリアン』を読んだ。こういう漫画が大好きだったことを思い出した。女っぽくていじめられている男の子と、その子をいじめている悪ガキが一緒に巨乳美少女に変身して敵と戦うことになるという話。淫獣の名前がジェンとダーでジェ…

自分から遠く離れたい

よく小説について「なにを伝えたかったのか」とか「なにを表現したかったのか」と問われることがあって、これは小説に限らず制作一般についてよくよく誤解されていることだと思う。まあ確かにそういう部分がないわけではないけど、とても長い文章を書くとき…

湯浅政明『夜は短し歩けよ乙女』を見てきました。

湯浅政明『夜は短し歩けよ乙女』を見た。なんだか歯に物がはさまったような感じだ。面白いところ、上手いところ、盛り上がるところ、色々とあるにはあるんだけど、今一歩肯定できない感じ。かといって駄目だというわけでもない。この作品に楽しめない自分自…

リチャード・フライシャー『恐怖の土曜日』(1955年)

恐怖の土曜日 [DVD]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2015/02/04メディア: DVDこの商品を含むブログを見るリチャード・フライシャー『恐怖の土曜日』を見たが、とても視覚的な映画で素晴らしかった。フランス版ではフリードキンがこの映画について…

強いショットとはなにか(について書いていたら脱線していった)

近頃、映画や小説を楽しんだあと、その内容についてあれこれ分析的に考えることに興味が薄れてきた。 (こう書くと語弊があるように思えるが)それと反比例するように気になって仕方がないのが、まさに映画を見ているとき、小説を読んでいるときに、自分自身…

ブライアン・エヴンソン「年下」

ブライアン・エヴンソン『遁走状態』を読んでいると、下のような文章に出会った。ときどき、このように完全に正しいと思われるような明晰な文章に出会うことがある。もちろん、小説を読む醍醐味はそういうところにあるわけではないが……日々不足しがちな共感…

ウィリアム・フォークナー『サンクチュアリ』の読みにくさ

題名通り、フォークナーの『サンクチュアリ』を読んでいる。そして、死ぬほど読みにくい。ちなみにここで、なぜ読みにくいのかを切れ味よく解説するつもりはない。フォークナーの長編としては短いものだし、「フォークナーのなかではわかりやすい」という評…